研究分野紹介

肝胆膵・移植外科学

研究分野ホームページ

http://surg2.w3.kanazawa-u.ac.jp/

スタッフ

教 授:太田 哲生
准教授:高村 博之
講 師:田島 秀浩
助 教:宮下 知治,井口 雅史,牧野  勇,中沼 伸一

研究の概要

がんの治療は,今なお切除術が唯一の信頼できる治療手段であるが,近年は化学療法,放射線療法,免疫療法,ホルモン療法など新たな治療も台頭してきている。我々は,より効果的で低侵襲で障害の残らない合理的な手術法の確立を目指すとともに,がん種別に各種の治療法を組み合わせた最適な治療ストラテジーの構築を目指している。また,がん予防,早期診断法そして薬物や遺伝子治療法などの新規開発を目指して,基礎研究も行っている。主要な研究課題は以下の如くである。

  1. ハイリスク患者に対する周術期の栄養免疫学的アプローチ
  2. 消化器癌の微小環境下における分子病理学的メカニズム
  3. 敗血症に伴う臓器障害の病態解明と新規治療法の開発
  4. 過小グラフト移植後の再生肝の組織病理学的検討
  5. 化学療法後の肝における血小板血管外凝集の病態解明
  6. 逆流性食道炎由来食道発癌の化学予防

近年,オキサリプラチンを用いた化学療法は大腸癌肝転移治療における中心的役割を担っているが,オキサリプラチンによる肝障害(類洞閉塞症候群:SOS)が問題となっている。SOSは門脈圧亢進,脾腫,血小板減少,肝障害を特徴とし,病理学的に確定診断される病態である。モノクロタリンを用いたラットSOSモデルによる研究ではいわゆるblue liverが惹起され,非投与群に比して有意に肝胆道系酵素やヒアルロン酸の上昇と血小板の低下が認められた。免疫組織学的検討ではMCT投与群におけるP-selectin発現が認められ,血小板の存在が示唆されるとともに,RECA-1発現による類洞内皮障害が確認された。さらに電子顕微鏡による検討ではDisse腔における血小板の凝集が認められた。またこれらの障害は抗血小板薬であるシロスタゾールを用いることで抑制された。以上よりSOSの発生にDisse腔における血小板の凝集(血管外血小板凝集:EPA)が深く関与している可能性が示唆された。