研究分野紹介

細菌学

研究分野ホームページ

http://bacteriology.w3.kanazawa-u.ac.jp/

研究の概要

細菌による感染症は日常最も頻繁に遭遇する疾患であり,臨床上重要な位置を占めている。当分野は,病原体である細菌を研究対照の中心に置き,人類を脅かす細菌感染症の予防,診断,治療に貢献することと,次代を担う細菌感染症研究者を育成することを目的としている。
これまで当分野は嫌気性菌,特にクロストリジウム属菌を中心とした研究を行ってきている。

  1. ウェルシュ菌の毒素産生調節機構の解析
  2. クロストリジウム属菌の全ゲノム配列決定
  3. 細菌の細胞間シグナルによる病原性調節
  4. 宿主因子による細菌の病原性発現誘導
ウェルシュ菌における病原遺伝子発現調節機構

ウェルシュ菌の二成分制御系センサーVirSは,外界のシグナル(環境や細胞間シグナル)をリン酸化を介して制御タンパクVirRに伝え,活性化VirR は37の遺伝子の転写を直接制御する。そのうちのVR-RNA遺伝子は転写調節RNAとして働き,さらに下流にある複数の毒素遺伝子を含む94の遺伝子の 転写を制御する。これらVirR/VirSシステムの包括的制御下ある遺伝子群はウェルシュ菌のガス壊疽の発症に強く関与していると考えられる。さらにも う一つの転写調節RNAであるvirXは,ヒアルロニダーゼを含む複数の毒素遺伝子,プラスミド性の遺伝子群,および芽胞形成制御遺伝子群を包括的に負に 調節しており,芽胞形成時に発現され食中毒の原因である腸管毒素遺伝子の転写も制御している可能性があり,VirR/VirSシステムとvirXなどによ るグローバル制御系が本菌の病原性発現に関与するメカニズムについてさらに研究を続けている。