研究分野紹介

寄生虫感染症制御学

研究分野ホームページ

http://www.parasitology.jp/

スタッフ

講 師:所  正治

研究の概要

原虫感染症は主に熱帯の途上国でまん延し,先進国ではもはや問題にならないかのように思われがちだ。しかし,マラリア,旅行者下痢症などの輸入感染症への備えが必要なのはもちろん,先進国においても,問題となる原虫疾患は少なくない。実際,本邦におけるアメーバ赤痢の年間届出数は1000件を超え,アカントアメーバ角膜炎症例は全国から報告されている。また,先天性トキソプラズマ症(母子感染),トキソプラズマ脳症(日和見感染),膣トリコモナス症(性行為感染)などにも未だ注意が必要である。当教室では,このような様々な感染症の原因となる原虫について,検査・診断・治療および予防・介入対策構築のための基礎研究をおこなっている。

研究目標

  1. 分子疫学による寄生虫まん延実態の解明:表現型(病原性・薬剤耐性など)を規定する種内・種間の遺伝子多型とその分布を明らかにし,各多型に応じた有効な診断・治療・介入対策を確立する。
  2. 寄生虫分子分類の再構築:従来の形態学的分類を新たな分子分類すなわち分子進化学的観点から整理し,寄生原虫の種形成・ヒト寄生の確立・病原性/非病原性の分岐といった感染症進化の基本的なメカニズムを明らかにし,進化学的アプローチによる感染症対策を確立する。
  3. 創薬・ワクチン開発:その多くが無視された疾患に含まれる寄生虫感染症に対する創薬・ワクチンシーズの探索を,特に途上国でのフィールド調査による知見をベースに進める。
  4. 国際医療協力:熱帯地域の寄生虫まん延に対する上記のアプローチによる調査によって,様々な介入手法の有効性を実地評価し,もってフィードバックによる手法の改善を継続的に実施する。

主要な研究課題

  1. New strategy for the development of chemotherapeutic drugs against Cryptosporidium infection: Alternative treatments using anti-cancer drugs.
  2. Study of intra-species diversity in Giardia intestinalis: What is the driving force for the formation of various genotypes?
  3. Genetic diversity of clinical isolated Acanthamoeba spp. from keratitis cases in Japan.
  4. Comprehensive identification method: Utilization of molecular taxonomy for identification of pathogenic/non-pathogenic protozoan parasites.
  5. Genetic identification of various trichomonads species isolated from humans and related mammals in Indonesia.