研究分野紹介

血管分子生理学

研究分野ホームページ

http://physiology1.w3.kanazawa-u.ac.jp/

スタッフ

教 授:多久和 陽
准教授:杉本 直俊,岡本 安雄
助 教:吉岡 和晃

研究の概要

心血管系は生命維持に不可欠の器官であり,"ヒトは血管とともに老いる"と言われるように,心血管の異常は加齢に伴うさまざまな疾患に深く関わる。外部環境からのさまざまなシグナルの受容や細胞間のコミュニケーションは,多細胞生物において生命機能の統御に必須である。心血管及び癌を主要な研究対象として,i)血管の形成や収縮を制御する細胞外シグナル分子ネットワークの解明,ⅱ)それらの細胞外シグナル分子の受容機構(受容体,G蛋白,セカンドメッセンジャー,蛋白リン酸化酵素・脱リン酸化酵素)の解明,ⅲ)心臓・血管病(血管新生,血管透過性異常,心肥大・線維化など)におけるこれらのシグナル伝達系の異常の解明,ⅳ)シグナル伝達系を標的とした治療法の開発,をめざしている。発生工学(遺伝子改変マウス),生理学,形態学,生化学などの実験手法を用いているので,細胞レベルからマウス個体レベルまでのさまざまな解析手法を学べる。

進行中の主要研究プロジェクトは以下の二つである。

  1. 当研究室で受容体を発見した新規脂質メディエータースフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の血管恒常性(バリア機能など)維持の分子機構,虚血後及び腫瘍における血管新生,動脈硬化,心肥大,臓器線維化などの病態生理,癌浸潤・転移における役割の解明,心血管病に対する新規治療法の開発に関する研究を,S1P受容体やS1P代謝酵素の遺伝子改変マウスを用いて展開している。(J. Allergy Clin Immunol 2013, Cancer Res 2010)
  2. 当研究室で機能を解明したイノシトールリン脂質リン酸化酵素PI3-キナーゼⅡ型(PI3K-C2α)の血管を中心とした生体レベルでの機能を分子レベルにまで深く掘り下げて解明し,さらに血管バリア機能破綻,血管障害,高血圧,腫瘍血管新生などの病態における意義を探求する。これらの研究ではPI3K-C2αノックアウトマウス,トランスジェニクマウスを用いて解析している。(Nature Med 2012,J Biol Chem 2013&2015)