研究分野紹介

免疫炎症制御学

研究分野ホームページ

http://dimb.w3.kanazawa-u.ac.jp/

スタッフ

教 授:須田 貴司
助 教:木下  健,土屋 晃介

研究の概要

がん組織においては低酸素や抗腫瘍免疫,がん治療の影響で多くの細胞が死ぬ。また,近年,死につつある細胞や死細胞から様々な炎症誘導シグナルが発せられることが明らかになってきた。例えば,我々はデス因子FasリガンドがIL-1やIL-8,IL-17,IL-23など様々な炎症性サイトカインの産生を誘導することを報告してきた。これらの因子は腫瘍組織の炎症性微小環境の形成に寄与しうると考えられる。このような考えに基づき,我々は細胞死と炎症のシグナル伝達の接点で働く蛋白質に着目した研究を行っている。
近年は特に,NLRファミリー*1とその関連因子に着目した研究を展開している。主な研究テーマは下記の通りである。

  1. がん細胞におけるNLRファミリーとその関連分子の役割の解析
  2. パイロトーシス*2 の分子機構の研究
  3. PYNOD*3 の機能解析
  4. インフラマソーム*4 活性化剤,阻害剤の探索と応用
  • *1.NLR ファミリー:細胞死と炎症・免疫応答の誘導や制御に関わる細胞質蛋白質群。ヒトで20種類以上のメンバーが存在する。
  • *2.パイロトーシス:IL-1βやIL-18などの炎症性サイトカインの産生を伴い,ネクローシス様の形態変化を呈するカスパーゼ1依存性のプログラム細胞死
  • *3.PYNOD:我々が発見したNLR蛋白
  • *4.インフラマソーム:カスパーゼ1 を活性化するタンパク複合体
  • *5.PAMPs:病原体由来炎症誘導物質
  • *6.DAMPs:死細胞などに由来する内因性炎症誘導物質
  • *7.NLRC4,NLRP3:PAMPsやDAMPsに応答してカスパーゼ1の活性化を誘導するNLRファミリーのメンバー

NLRファミリーに属するNLRC4やNLRP3は病原体や様々な内因性,外因性炎症誘導物質に応答してIL-1βなどの炎症性サイトカインの産生とパイロトーシスと呼ばれる炎症誘導性プログラム細胞死を誘導する。PYNODは我々が同定したNLR蛋白で,上記の経路を阻害する作用をもつ。