研究分野紹介

地域呼吸器症候学講座

スタッフ

特任准教授:曽根  崇
特任助教:草山 隆志

研究の概要

金沢大学病院はこれまでに基本方針のひとつに地域医療の貢献をあげ,主に北陸地域の診療を支援してきた。呼吸器疾患(肺癌,慢性咳嗽,間質性肺炎)の分野は診断・治療の分野において専門的な技術や施設を必要とする場合が多い。患者さんが安心して十分な呼吸器疾患の診療を受けるためには,金沢大学病院と地域基幹病院が連携することが重要である。地域の呼吸器疾患の診療に主眼を置いた本講座は本邦では例がなく,地域医療を向上させる上で一つのモデルとなりうると思われる。

【研究の概要】

  1. 地域における呼吸器疾患診療に関する支援,呼吸器疾患診療における地域連携システムのモデルを確立する
    地域基幹病院を受診した呼吸器疾患患者に対して,適切な診断方法,治療方法に対する指導を行う。また,金沢大学病院や他の地域基幹病院など他の病院との連携が必要となる場合には,スムーズに行えるように支援する。地域基幹病院の各専門医と協力しながら,金沢大学病院が中心となって行っている臨床試験を展開する。これらの活動を通して,地域の呼吸器疾患診療の実態を把握し問題点を明らかにする。またその解決案を提唱し,地域基幹病院と協力しながら実践していく。
    これらの呼吸器疾患診療における地域連携システムの成果については,関連学会にて発表し,呼吸器疾患診療関係者に対して発信する。
  2. 肺癌診療における分子標的療法の臨床応用と新たな臨床試験の実施
    既に用いられているか,または現在臨床試験中の分子標的薬について効果・毒性を評価し,最適な投与方法の確立を目指した臨床試験や,他の薬剤との併用効果を検討するための臨床試験を実施する。主に臨床試験に参加した患者から検体(腫瘍組織・血清など)を収集する。用いられた薬剤の標的分子やまたそれに関連した分子について,蛋白・遺伝子レベルでの検討を行う。また得られた結果と記録された効果や毒性のデータを用いて,治療効果予測因子や毒性規定因子の探索を行い,効果的な分子標的薬の使用方法を検討する。

本講座の設置により,金沢大学と北陸地域における呼吸器疾患の診療レベルが向上するとともに,これまでにない統合的な呼吸器疾患の研究の成果を世界に発信できることが期待される。