研究分野紹介

システム代謝学講座

スタッフ

特任准教授:加藤 武史
特任助教:林  智之

研究の概要

講座概要:
糖尿病,脂質代謝異常症,高血圧,肥満に加えてがんは過栄養が関連する症候群と考えられ,とりわけ糖尿病とがんは密接に関連していることが疫学的に示されている。しかし,両者が関連する機序は不明であり,糖尿病およびがんを克服するために解明すべき課題が多く残されている。最近,細胞生物学の進歩により疫病における幹細胞の重要性が示されてきた。糖尿病およびがんの領域においても多くの幹細胞研究が行われており,幹細胞研究は両者の関連を解明する学問として大きな期待が寄せられている。栄養代謝が幹細胞に及ぼす影響を解明し,糖尿病からの発癌およびがんの進展に及ぼす効果を研究することが重要と考えている。本寄付講座において,これらを有機的に統合し,幹細胞代謝学の教育研究を行う。
21世紀の最大の課題のひとつである糖尿病および肥満などの過栄養状態とがんに関する新たな知見を世界に情報発信し,栄養代謝を司る肝臓の研究を進め,人類の健康に貢献する。

研究の概要:

  1. 幹細胞とがんの研究
    iPS,ES細胞をはじめとする幹細胞は再生にとどまらず,がんとも密接に関連している。がん幹細胞はがんの発生だけでなく,治療抵抗性,転移,再発と密接に関連することが明らかにされ,がん幹細胞研究の重要性が増している。本研究では,1)栄養代謝と幹細胞およびがん幹細胞の研究,2)がん幹細胞の特徴と診断および治療標的の研究,3)臓器における幹細胞の動態に関する研究を行う。
  2. 糖尿病と肝臓の研究
    糖尿病の発症と進展に過栄養および運動不足が密接に関連している。肝臓は栄養代謝を専門とする臓器であり,糖尿病と肝臓とが密接な関係にある。糖尿病および肥満とがんの死亡率は密接に関連しており,肝臓の栄養代謝とがんとの関連も研究が進められている。肝臓における栄養代謝の機構が過栄養によって破綻し,肝臓が生体の栄養代謝だけでなく,へパトカインと呼ばれる生理活性物質を体内に放出して全身のインスリン抵抗性を悪化させることをが明らかになっている。本研究では,糖尿病と肝臓,さらにはがんとの研究をすすめ,1)へパカインの研究,2)へパカインが及ぼす標的細胞・臓器の研究,3)肝臓における栄養代謝の破綻とがんとの関連研究を行う。