医学入門金沢大学大学院医学系研究科医薬保健学科医学類
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 高血圧症(家庭でのつきあい方)

 生活習慣病の中でも高血圧症は,患者数が約3500万人と最も多い疾患です。また,日本人の死因は,第2位が心血管疾患,第3位が脳血管疾患と,いずれも高血圧を基礎疾患として発症することが多い病気です。これらの2つをあわせると第1位の悪性腫瘍(ガン)よりも多い数となります。自覚症状を認めないことが多いため,血圧が高い人でも医療機関に受診している人はその半数と考えられています。このため高血圧症という病気についての認識はいまだ充分とはいえません。

画像:成人における血圧分類
成人における血圧値の分類(高血圧治療ガイドライン2004)
 

 生活習慣病といわれるように,高血圧症は生活習慣の修正により改善することが期待されます。日本高血圧学会から「高血圧治療ガイドライン2004年版」が発行されています。この中で最初に取り組む治療として,(1)1日6gの食塩制限,(2)野菜・果物を積極的に摂取する,コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える,(3)適正体重の維持,(4)有酸素運動による運動療法,(5)アルコール制限,(6)禁煙が挙げられています。生活習慣の複合的な修正はより効果的です。

 近年,家庭用血圧計が一般家庭に普及し,血圧測定が身近なものになりつつあります。家庭血圧を測定することにより,家庭での血圧治療の程度,治療コンプライアンスの改善が期待されます。また白衣高血圧(医療環境下では血圧が上昇するが,普段は血圧が正常),仮面高血圧症(普段の血圧は上昇しているが,医療環境下では血圧が正常)を診断することも可能です。通常みられる夜間の降圧がみられなくなると臓器合併症も進むこともあきらかになってきております。

 高血圧の原因は,その80-90%が原因不明とされています。しかし最近では,内臓肥満が血圧上昇を起こす機序が明らかにされました。高血圧の病態の解明,原因の検索を行うとともに,患者さんの生活の質を保ち,最善の治療を行うために,医学部では臨床,研究を行い,さらに最新の医学知識について学生に教育しています。日々新しい医学知識を吸収する意欲のある学生を求めています。


環境社会医学講座 恒常性制御学(内科学第一) 北川清樹 医員
血液情報学講座 血液情報統御学(臨床検査医学) 和田隆志 教授


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