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研究の成果に関する情報

救急車到着に時間を要する地区では,人工呼吸を組み合わせて行う心肺蘇生の自発的実施が格段に優れた救命効果をもたらす!

 医薬保健研究域医学系の竹井豊研究協力員,医薬保健学総合研究科大学院生の神蔵貴久さん,および医薬保健研究域医学系の稲葉英夫教授らの研究グループは2007年から2012年に国内で発生した約72万件の院外心停止データから,一般市民により目撃された心停止約19万件のデータを抽出し,分析を行いました。

 その結果,過疎地域や高層ビル,交通渋滞の影響で救急隊到着に時間を要す場所で発生した院外心停止例では,近くに居合わせた市民が自発的に従来どおりの人工呼吸と心臓マッサージを組みあわせた心肺蘇生を実施した場合に,脳機能良好1か月生存率(1ヵ月後に自立した生活ができる状態で生存している割合)が他の心肺蘇生に比べ顕著に高くなることが明らかとなりました。

 今回の研究は,市民に対して蘇生教育を行う立場の医療従事者に人工呼吸の重要性を再認識させるとともに,蘇生意欲を有し質の高い人工呼吸と心臓マッサージを実施できる市民養成とそのような市民を心停止発生現場にリクルートするシステム作りの必要性を示唆する結果となりました。

 本研究成果はヨーロッパ蘇生協議会の医学雑誌「Resuscitation」オンライン版に 6月4日(イギリス標準時間)に掲載されました。

 市民が通報後に通信指令員による口頭指導に従い心肺蘇生を実施しても心肺蘇生が行われなった場合に比し1.5倍しか救命率を増加させないのに対し,自発的に人工呼吸と心臓マッサージを組みあわせた心肺蘇生を実施した場合は2.7倍も救命率を増加させました。

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Resuscitation

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